Onlineダイジェスト モノづくりフェア2020

マコー株式会社

モノづくりコーナー生産ライン、エンジニアリングブロック

「ウェットブラスト技術」の
トップランナー

自動車の防振ゴムや航空エンジンのファンブレードなどに使われる研磨技術、ウェットブラスト。水と研磨材の混合液を高速噴射して部品などの油や汚れを洗い流し、表面に微細な加工を施して密着・接着性も高めます。マコーはこのウェットブラスト技術を組み込んだ装置の企画から設計、製作、アフターメンテナンスまで行う、国内ただ一つの専業メーカー。昨年は長崎県にも進出し、きめ細かな顧客対応の強化を図っています。

 

国内3番目の拠点を拡充

 

―事業について教えてください。

「国内で唯一のウェットブラスト装置専業メーカーです。創業から38年、ウェットブラスト一筋に技術開発力を磨いてきました。卓上型から10メートル以上の大型のものまで、2000台以上の装置をこれまでに製造し、自動車部品や工具、半導体分野などのお客さまに納入してきました」

 

―ウェットブラストはどのような技術ですか。

「金属や樹脂、ガラスなどの表面を薄くむきながら洗い流せる研磨技術です。水と研磨材を混ぜて重湯のようにした液体(スラリー)を、圧縮エアの力で高速噴射し、対象物の表面の油や汚れを削り取って流します。薬品を使わないため環境負荷が極めて少ない、クリーンな技術です」

「研磨材の粒子の直径は、小さいもので龍角散の粉より細かい3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。水に研磨材を混ぜるので、粒子が小さくても飛散しません。対象物が複雑な形状でも奥まで入り込み、表面だけを薄く均一に速く削れるのはこのためです。圧縮エアがスラリーを霧状にするため、強度が低かったり厚みが数十マイクロメートルの対象物にも使えます。削った後の表面の粗さも変えられます。微細な凸凹を付け、密着性や接着性を高めることも可能です」

代表取締役
松原 幸人氏

技術も顧客対応力も磨く

 

―今後どのような分野で業容を拡大したいですか。

「一つは5G対応が進む電子部品分野。セラミックスや樹脂でもウェットブラストなら接着機能を持たせることが出来ます。自動車部品用冷間鍛造品向けの受注もめざしたいですね。当社の装置『WLS』なら、ウェットブラスト後に潤滑剤を塗れば冷間鍛造が可能です。ボンデ処理のように薬品を使用せず、工程も短縮できます。潤滑剤は均一に塗るのが難しいのですが、ウェットブラストで表面に凸凹を付けることでこの課題を解決しました」

 

―顧客へのアピールポイントを。

「昨年、長崎県に国内3番目となる拠点を開設し、これまで以上にきめ細かな対応が可能になりました。米国と中国にも拠点があり、海外で装置購入をお考えのお客さまへのサポートもしっかりと行えます。表面改質でお困りの際はぜひご相談ください」

 

―展示会には何を期待しますか。

「ウェブを通じた展示会はウェットブラスト技術や当社を知っていただけるチャンスの一つです。そして展示会で興味を持っていただけたら、ぜひ当社拠点に来ていただきたいと思います。実際に加工の様子を見て、材料を手に取れば、この技術の特性を実感していただけるはずです」

近年、自動車の概念を変える技術革新「CASE」や次世代通信システム5Gの開発により、自動車やスマホ業界に向けた電子デバイスの軽量化や耐熱性向上が盛んに行われ、これに伴い複合材料の使用が増加しています。異種材料同士を接着する複合材において、素材の高機能化に伴い加工が難しくなることで、コーティングやメッキの密着不良が問題となっています。

当社の持つウェットブラスト技術は、直径数マイクロメートルの微粒子を使用し対象物表面にアンカー効果をもたらすナノレベルの凹凸を形成し、密着性の高いコーティングやメッキなどが行えます。また、この表面には時間依存性が無く、安定した品質で膜の生成が行えます。物理加工であるウェットブラストを利用した接着前処理は応用範囲が広く、金属材料の他にもガラスやセラミックスなどの脆性材やスーパーエンプラなどの樹脂材に代表される難接着材料などさまざまな素材に応用が可能で、幅広い業界向けにご利用頂けます。

 

WLS(ウェットブラスト・1液潤滑剤塗布)処理は、下地処理(酸化スケール除去、脱脂・洗浄、微細凹凸形成)と潤滑剤塗布を一体化したことで、鍛造業界で一般的なボンデ処理と比べ、設置面積1/10、水使用量1/30、産業廃棄物1/20以下を実現した画期的な冷間鍛造ラインの潤滑工程向け処理設備です。
従来のボンデ処理は、廃棄物や各工程間の水洗に伴う廃水が大量に発生します。これに替わる処理として、潤滑処理を1工程で行う1液潤滑剤がありますが、皮膜が均一に付着せずボンデ処理に比べ潤滑性能が劣るため、金型寿命の短縮化が懸念されていました。
そこで、当社の持つウェットブラスト技術を1液潤滑処理前の下地処理として利用することで、高い潤滑性能を維持したまま、処理ラインを大幅に短縮可能な設備を開発致しました。
本工法は、物理工法で使用する粒子や水を循環再利用することから、廃棄物や廃水を大幅に削減することができます。

会社名 マコー株式会社
住所 〒940-2032
新潟県長岡市石動町字金輪525
TEL 0258-47-1729
FAX 0258-21-4124
URL http://www.macoho.co.jp/
担当者名 須佐 吉和
部署 グローバルマーケティング部
役職
E-mail inquiry@macoho.co.jp
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