お菓子の工房 オペラ
濱田 一郎氏 インタビュー
もの探訪#5
「お客さまに喜んで
いただける商品を」
お菓子工房 オペラは福岡県東区の閑静な住宅街にお店を2店舗構えています。創業は1998年。以来、老若男女問わず訪れるモダンな店内には店名の由来でもあるフランス菓子オペラをはじめ、ケーキや焼き菓子などがおしゃれにならんでいます。なかでもシュークリーム「濵田シュー」や「純生ロール」、焼ドーナツ「濵田リング」が定番の人気商品です。
同社は一般社団法人福岡県洋菓子協会の会員です。この5月に開催される産業総合展「西日本食品産業創造展21」(以下:食品展)では、展示会のオープニングを飾るテープカットならぬ、ロールケーキカットの製作を手がけていただいています。そこで同協会副会長でお菓子工房オペラ オーナーシェフの濵田一郎氏に、ロールケーキの製作の舞台裏などについてお聞きしました。
(聞き手・西日本食品産業創造展事務局)
シンプルに美味しく
喜び届けるロングセラー
-甘い香りの漂う店内ですね、人気商品はなんでしょうか。
濵田シューと、純生ロールはオープン2年目に誕生したロングセラー商品です。
喜んでいただけるものをつくりたいとの一心で商品化したのが濵田シューです。特徴あるシュークリームをつくりたくて、見た目が大きく、シュー皮の表面にはあられ糖をのせて焼きました。あっさり味に調えた中のクリームは、注文を受けてから一つひとつ詰めてお渡ししています。
-純生ロールおいしそうですね。
かつてのロールケーキは、ケーキの上にたっぷりのクリームとフルーツを飾ったものがほとんどでした。こうした中、シンプルで手土産にもできるようなロールケーキにしようと考案したのが純生ロールです。
生地とクリームだけのシンプルなケーキなので、生地とクリームの配合にはこだわりました。その結果、口どけのいい最適なバランスのロールケーキが完成しました。
見る、切る、そして食べる
オープニング・ロールケーキ
-展示会オープニングでカットするロールケーキを製作されています。
展示会10周年の記念イベントで、長さ10メートルのロールケーキを福岡県洋菓子協会のメンバーでつくりました。以来、1メートルずつ延ばし会場の都合で15メートルで落ち着きました。材料の配合は共有してつくりますが、各お店によりオーブンの大きさや配合技術により均一した生地をつくることが難しく、最近は当店で生地をつくってから朝一で会場に持ち込みます。
-オープニングセレモニーの舞台裏は。
朝一、会場に持ち込んだ生地とクリームを合わせてロールケーキを簡易な作業台でつくります。10数人の同協会メンバーが集結。生地にクリームをのせ、慎重に息を合わせて一気に巻きあげます。さらにもうひと仕事、包み紙上のロールケーキをセレモニー台に移します。息を合わせた緊張の連続、スピード感あるチームプレーに、セレモニーを準備するほかの会場スタッフからも安堵と、笑みが自然とこぼれます。
ロールケーキは毎年、セレモニー後に来場者約500人に振舞われます。残念ながら今年はコロナ禍で規模を縮小しての開催です。ケーキの振る舞いはありませんが、また次回開催を楽しみに待っていてくださいね。
―本日はありがとうございました。
※当日はマスクを使用してインタビューを行いました。写真撮影時のみ外しています
油で揚げない焼ドーナツ。オペラさんが発祥だそうです。
ここから、全国に広がったと聞いてびっくりしました。
企業情報
お菓子の工房 オペラ
代表取締役濵田一郎
福岡市東区松崎3-14-1
TEL092-629-3232
FAX092-611-1138