老舗パン屋シモン、
平田健太郎氏インタビュー
もの探訪#2
「シモンのパンは
なぜ美味しいのか」
焼きたてのパンを暖かな日光が差す落ち着いた空間にてコーヒーと一緒に味わうことができる。そんな和やかな時間を体験できるお店があります。地下鉄空港線の大濠公園駅を降りて7分程歩くと、三角屋根とレンガの作りが特徴的な老舗パン屋のシモンが見えてきます。多くのお客様がシモンの特徴である手ごねで作った焼きたてパンの美味しさを求めて来店されます。
今回はシモンのオーナーであり、福岡市パン協同組合理事長でもある平田健太郎氏に美味しさの理由と組合の活動についてお話をお聞きしました。
(聞き手・西日本食品産業創造展展示会事務局)
美味しいパンは、
経験と技術でつくられる
―シモンの強みを教えてください。
海外を見て回り厳選した材料にこだわる、そして手ごねで作ったパンを提供できることが強みです。スーパーやコンビニなどでは毎日決まった美味しさのパンをたくさん提供されていますがシモンでは同じことはできません。そのかわり素材の風味などを活かしつつ手ごねで作ることによって、職人のこだわりを味わっていただいています。
—世界中の文化や土地の理解を経て、具体的にはどのように活かしていますか。
例えば、パンの硬さ一つとっても欧州は硬めの傾向で、北米やアジアでは柔らかい傾向にあります。土地によって様々な個性があり、そういった要因を踏まえて材料を選んでいます。小麦は火山帯かつ段々畑で育てると質が良く、水は軟水よりも硬めの方がパンの出来が締まります。酵母菌はフランスから酵母菌を購入していますが、自家製の天然酵母菌も使ってシモン独自の美味しさを作っています。
後進に伝えたい技術、
手ごねで作る意味
—福岡市パン協同組合としての活動を教えてください。
材料メーカーに向けた講習会を開くこともあります。今後の活動として、組合共通のキャンペーンができれば面白いとも思いますがなかなか実現には至っていません。また5月の西日本食品産業創造展の会場ではコンテストやパン作りの体験会などを行う予定です。コンテストは毎年違ったテーマで開催していますが、今年はカレーパンをテーマに行います。
—今後の運営方針について教えてください。
シモンのこだわりでもある手ごねで作るパンの良さをほかの職人に伝えたいと思っています。手作りで作っているから毎日同じものはできません。しかしそこに美味しさの秘訣とパン作りの楽しさが詰まっていますから、少しずつ伝えていきたいですね。
—本日はありがとうございました。
※当日はマスクを使用してインタビューを行いました。写真撮影時のみ外しています
「なぜこんなに美味しいのか」という疑問。掘り下げて聞けない部分も多かったですが、時間をかけて理解していこうと思うほど魅力的な手作りパンでした。
企業情報
有限会社シモン
代表者平田健太郎
〒810-0075 福岡県福岡市中央区港2-15-5
TEL092-741-6175
FAX092-751-4824